Italy Arc — Chapter 02
Practice Morning

舞台には、舞台だけが持つ熱があった。
高い窓から琥珀色の光が差し込み、スリッパの下の古びた床板をやわらかく温めていた。埃が光の中に漂っている——かつて燃えた火の、残り香のように。
序曲が膨らみ、思考より先に体が動き出した。筋肉が記憶していた。
振り返った瞬間、鏡の中に自分を見た。 髪が短い。高校生の頃と同じように、濡れたまま顎に張りついている。そのせいで、二十二歳よりも幼く見える。
子どもではない。
ただ、まだ途中なのだ。
私の体はバレエそのものだった。長い線、鍛え抜かれた制御、動くまでは隠れている筋肉。プリマの筋肉——スタジオの床に足を血で染めながら、長い年月をかけて刻みつけてきたもの。なのに顔には、まだやわらかさが残っている。体が辿り着いた場所に、顔がまだ追いついていないかのように。
それが武器になっていたのかもしれない。この無垢な顔で、ガラスを切るような技術を見せる——その矛盾に、観客は前のめりになった。私はこのカンパニー史上最年少のプリンシパル。コール・ドから這い上がってきた、ただの意志の塊。
それでも今、鏡を見つめながら思う。あの顔が、足かせになっているのではないかと。門限を守らせてもらえない子どもに、誰が本気で向き合うだろう。
皮肉な話だった。技術を磨き続け、舞台では誰にも触れさせなかった。
それなのに今、たった一本の酷評で、すべてを失いかねない場所に立っている。
今日も、タイミングがずれていた。
感じ取れるくらいに。
パトリシアに気づかれるくらいに。
ルシアーナは舞台の端に座り、腕を組んで、音叉のように鋭い視線を向けていた。何も言わない。言わなくていい。
ピルエットへ踏み出す——三回転、ポアントで着地。二回転目で足首が揺れた。動きの中に隠した、小さな崩れ。
転倒ではない。
でも、十分だった。
スタジオの向こう側では、パトリシアがすでに空間を支配していた。まるでそこが自分のものであるかのように。ラインは完璧で、シルクのレオタードが光を纏い、スポットライトがずっとそこで待っていたかのように輝いている。
ルシアーナが手を上げた。
音楽が止まった。
「最初から」
判断は込められていない。それでも体は知っていた——失望させたことを。
パトリシアが定位置に戻りながら、ちらりとこちらを見た。鞭がしなるような、ほんの一瞬の視線。
微笑んでいた。
かすかに。
音楽が再び流れた。
彼女が冒頭の動きに入り、私はそれを鏡のように映すはずだった。でも先週より、動きが鋭い。より攻撃的だ。
隣で踊っているのではない。
私に向かって、踊っている。
テンポに合わせようとする。フレージングを追う。でもすべてのステップが、反応になっていた。
選択ではなく。
ルシアーナがペンで楽譜を叩いた。
その瞬間だった。
パートナーとの回転——パトリシアがほんの一呼吸早く回り込み、肩をかすめた。体勢が崩れるには十分で、リフトのタイミングが半拍遅れ、床を蹴るはずの足が擦った。
音楽が、また止まった。

ルシアーナは立ったまま、腕を組んで、黙っていた。
「まあ」とパトリシアがタオルで顔を仰ぎながら、軽やかに言った。「勇気があるのね」
息を整えながら、振り返る。「あなたが私のラインに入ってきた」
パトリシアが首を傾けた。「アドリブかと思ったわ」
ルシアーナは何も言わない。ただ、私を見ていた。
一歩踏み出す。「事故だったとは言わせない」
パトリシアの笑みが広がった。練られた、甘ったるい笑みだ。「あなたを本当に潰したかったら、今頃立っていないわよ」
コール・ドの間に、短い息が走った。雷の前の静けさのように、スタジオが張り詰める。
視線を外さない。「ここはボリショイじゃない。スポットライトを勝ち取るために、競争相手を消す必要はないはずよ」
彼女がわずかに近づき、私だけに聞こえる声で言った。
「名声と過去の栄光だけで稽古を乗り切れると思っているなら、大きな勘違いよ」
ルシアーナのヒールが一度鳴り、こちらへ歩いてきた。スタジオに静寂が落ちる。
「やめなさい」声は滑らかで、でも火打石のように硬かった。「二人とも」
私たちは引いた。パトリシアが礼をした——完璧な礼を。
私はただ、顎を引いた。
ルシアーナは手を後ろに組み、ゆっくりと二人の間を歩いた。
「技術は教えられる。精度は積み上げられる。でも存在感というのは——」彼女は私を真っすぐ見た、「——選ぶものよ。毎日、自分で選び直すもの」
パトリシアに向き直る。
「そして規律は、仲間のバランスを崩す許可を与えない」
パトリシアがわずかに頭を下げた。唇は薄く結ばれたまま。
謝罪ではない。
ただの、服従。
ルシアーナの視線が戻ってきた。
「迷いがあるなら、断ち切ること。プリマの座は、誰も待たない」
そして、スタジオ全体へ。
「十分間休憩。水を飲みなさい。すぐに再開します」
ルシアーナが背を向けた瞬間、パトリシアがすれ違いざまに囁いた。
「いつまでも待ってもらえると思わないことね、ナツミ。私もそう」
答えられなかった。
怒りと疑いの間で、息が半分、詰まっていた。
すぐにシルヴィが隣に来た。「怖いのよ、彼女」静かに、はっきりと言った。「だから爪を研いでいる」
「なのに、傷ついているのはなぜ私なの」
「あなたが人間だから。彼女は……稽古されている」
ベンチに腰を落とす。胸の奥で心臓が暴れていた——狂ったメトロノームのように。水のボトルに手を伸ばすと、指が微かに震えていた。
残りの稽古、パトリシアは完璧に踊った。
私も一つのミスもしなかった——でも、ルシアーナがすでに計算を始めているという感覚を、どうしても振り払えなかった。
